最近はスーパーフルーツなど、普段日本では見かけない珍しい果物が次々と話題になっています。南国のフルーツは厳しい環境の中でたくましく生き延びていくものが多く、そのためか果実の中に含まれている栄養も特筆に値する、素晴らしいものが多いです。
この記事をお読みになっている貴方は、どんなフルーツをご存知でしょうか?
面白いフルーツがたくさんありますが、今回は、あのギネスで世界一大きい果物として認定された、いろんな意味でとってもパワフルな南国のフルーツ、
ジャックフルーツ
をご紹介したいと思います!
ジャックフルーツとはなんぞや?
呼び名はこんなにあるぞ!
ブラジルでは 「ジャッカ - Jaca -」と呼ばれていて、「ジャックフルーツ」は英語。このフルーツの呼び方は国によってそれぞれでこんなに違います。
インド → カタル
インドネシア・マレーシア → ナンカ
タイ → カヌーン
ベトナム → ミッ
日本 → パラミツ
まぁ、これを見てわかる通り英語の「ジャックフルーツ」の語源になってそうなものは見当たりません。でも、インドの「マラヤラム語」では「chakka」と呼ぶそうで、それがブラジルで訛って使われて「ジャッカ - Jaca -」。
そして、それが英語にも適用されて「ジャックフルーツ」という感じになったそうです。
暑い地方が原産!
原産地はインドやバングラデッシュだけど、現在は熱帯地方のあちこちで見かけます。
栽培されている国をザックリと、wikipediaを参考に分布図にして見ました。地図上の赤いところが、ジャックフルーツが栽培されている主な国です。
やはりこうやって視覚化してみると、赤道周辺の国ですね!
これはWEBの情報を元に簡単に作って見ただけなので、たぶん本当はこの赤い色がないところでも、熱帯地方の国ではあちこちで栽培されているんじゃないかと思います。日本でも沖縄あたりでは栽培されている方もいらっしゃるようですよ!
ちなみにブラジルには19世紀ごろに持ち込まれて、ブラジル全土に広がって好んで食べられるようになりました。
どんな特徴があるの?
面白い其の一、世界で一番デカイ果物!
photo by Gerwin Sturm
とにかくとにかく、このフルーツを語る時に絶対についてくる代名詞は世界一巨大な果物!
大きいものだと、長さ70cm・幅40cm・重さ・・・・40kg〜50kgとか、60kgとか、70kgとか言われてます!!!!
60kgとか70kgって若干、脚色臭感じますがね・・・^^;でも、100kgを超えるジャックフルーツを収穫したという話もあるので、あながち嘘ではないようです。
photo by Malcolm Manners
お兄さんより絶対に荷台の方が重そうです。足でこいで運ぶなんてかなり重労働でしょう・・・
一個の果実で時には大人一人分くらいの重さにもなるこのフルーツ、実はそのデッカい実が一個だけなるわけじゃなくて、ボコボコと何個も何個もたくさんなるんです。
庭に生えていたら、ジャックフルーツのシーズンには一家の毎日のご飯をジャックフルーツにしてもいいレベルじゃないでしょうか 笑ちなみにジャックフルーツの表面はトゲトゲした甲羅のようになってます。
photo by ChopWood CarryWater
Oh... 世界最大のくせに攻撃力まで装備とは・・・こんな重いものが熟して木から落ちてきたら下手すりゃ死にます・・・^^;
木の下に車を停めてたら、最悪凹みます・・・
デッカくて破壊力抜群!すごいフルーツです!
面白い其の二、実は木になるくせに枝じゃなくて幹になる!
まぁ、実がすっごく重いから理解できるんですが・・・^^;
普通のフルーツは木の枝に花を咲かせてその後枝に実がなりますが、このジャックフルーツは、枝に直接花が咲いて実がなります。
photo by A.Davey
なんとも豪快ですね! 笑
逞しいというか、「幹につる下がってでも生き抜いてやる!」という生命力さえ感じます。暑い地方で大きな実がなるには、確かに枝より幹から直接栄養をもらった方が効率もいいでしょう。
面白い其の三、パカっと割ると集合果!
ジャックフルーツはクワ科なので、クワ科の果実によく見られる集合果です。
photo by coniferconifer
これはクワの実。プツプツと果実が集まっています。
photo by _suika
これは同じクワ科のイチジクの実。ザクロみたいに、割るとプツプツが集まっています。
photo by Y W
そしてドーンと出ました、今日の主役でクワ科のジャックフルーツの実!芯を真ん中にしてボコボコと実が集まっています。なんとなくパイナップルを連想させる姿ですね。
食べるときは、この芯の周りの集まった実を食べます。タネがあるので生で食べる場合はタネを取りながら食します。
photo by Fruitnet.com
芯の周りの実を取るとこんな感じ。なんとなくプルプルしてそうですが食感はガムとかハイチューに似ています。
食べ方は?美味しいの?
東南アジアなどでは、ジャックフルーツは少人数で食べるには大きすぎるので、道端で量り売りしていたりして、自分で果実を切る必要がない場合もあります。しかしもし、果実まるまる一個を手に入れたとしたら、まずジャックフルーツをザクっと切らなければなりません。
※注意※
- ジャックフルーツの果実の中はとてもベタベタしていて、服や包丁、フォークなどに一度つくとなかなか取れません!
→ 切る前には包丁にサラダオイルを塗ると、ベタベタを防げます!また、切り口をサラダオイルで拭くとベタベタが減って食べやすくなります。
ちなみにベタベタが嫌な人は、切るときに透明のビニールや調理用手袋をつけて、エプロンをして切り分けています。
食べ方其の一、生で食べる
ジャックフルーツはその個体によって味の当たり外れが激しい果物で、それを知らずにジャックフルーツを初めて生で食べて、美味しくなくて嫌いになった・・・という不幸も生み出されてしまっています。
もしちょこっと生で食べて見てアタリだったらラッキーですね。是非そのまま生の美味しさを堪能して見てください!
※注意※
- ジャックフルーツは胃の水分を吸い取り、食べると胃酸がたくさん出てきます。
そのため食べるときは胃もたれ・胃痛を引き起こすので、必ず以下の正しい食べ方をするようにしてください!
- ジャックフルーツを食べるのと同じくらいの量の水を飲みながら食べる
- 食べすぎない(デザート程度にとどめておく)
- 空きっ腹の状態で食べない
残念なことにハズレの味だったら、お料理の材料として使ってしまいましょう。たとえハズレの個体でも、いろんな食べ方ができるのがジャックフルーツのいいところです。また、調理したものの方が胃への負担が軽減されます。
食べ方其の二、調理して食べる
ジャックフルーツを調理して食べる際の東南アジアでよく見られるレシピは、インターネット上に溢れているのでこちらでは筆者が暮らしているブラジルならではの美味しい食べ方をご紹介したいと思います!
ジャックフルーツを生で食べるのが苦手でも、こういう料理にしたらみなさん食べたくなってくるのではないでしょうか〜♪
ちなみに、こちらでご紹介する調理法は完熟したハズレのジャックフルーツでもできますが、まだまだ青いジャックフルーツでも普通に料理できます!
というかヨーロッパ系の人たちはどちらかというと、料理をするのに使うジャックフルーツはまだ熟していない、青いものを好んで使うようです。青い方が香りもドギツくなくて料理後の味や食感がいいんだそうです!
タネを湯がいて食べる
photo by Sunayana
これは国に限らずジャックフルーツ界ではポピュラーな食べ方です。
ジャックフルーツはタネも食べられることは有名。湯がいて食べると、栗とかお芋みたいにホクホクして美味しいんですよ!特に塩茹でのように若干味付けして調理すると、ますます食べやすくなります。
だから、炊き込みごに入れる容量でご飯と一緒に味付けして炊いても美味しいです♪こちらブラジルの田舎には栗がないので、いつかジャックフルーツのタネで栗きんとんができないかな〜と企んでいます 笑
そういえば栗も美味しいタネのところはジャックフルーツのようにイガイガの殻に包まれてますよね。種族は全然違うけど、ジャックフルーツと似たようなところがあって面白いですね〜!
ムースにして食べる
photo by neuropata
ジャックフルーツのタネを抜いた果実を、ムースの材料と一緒にミキサーで撹拌してジャックフルーツムースにします。
とっても簡単で、しかも美味しくたくさんできるのでパーティーとか来客時のデザートや、
ブラジリアンバーベキュー(シュラスコ)のデザートなどで活躍します。
ジャムにして食べる
photo by Suzanne Hunt
日本ではジャムというと形が残らないくらいドロドロになったものを連想しますが、このジャックフルーツのジャムは形を残して砂糖で煮込んでとっても甘〜くしたものが多いように思います。(もちろん形が残らないくらいドロドロのものもあります)
よくレストランのバイキングのスイーツコーナーで見かけたりします。脳がトロけそうなほど甘いので、苦〜〜〜いコーヒーやお抹茶などに添えると食べやすいと思います。
ブリガデイロにして食べる
photo by Van Sweet
ブラジルの代表的なスイーツで有名なのが、ブリガデイロとベイジーニョという生チョコのようなお菓子。誕生日会などのパーティーではお約束の欠かせない食べ物です。そのレシピにジャックフルーツを投入!フルーティーで一味違ったブリガデイロの出来上がりです♪
ピザに乗せて食べる
photo by Brian Brown
もう美味しければなんでもありな気さえします 笑
ジャックフルーツを食べやすい大きさにカットして、お好みの味でピザに乗せてオーブンへ!
コロッケ - Coxinha - にして食べる
photo by Imagens Portal SESCSP
ブラジルで一般的に食べられているコロッケ、コッシーニャ。
一般的にさいた鶏肉を美味しく調理して、芋やキャッサバ芋で作られた皮で包んで、このように「しずく」の形にして油で揚げます。この鶏肉と一緒にジャックフルーツを調理して作られるものもありますよ!
炒め物に - Carne de Jaca -
photo by TheDeliciousLife
肉やトマト、ピーマン、玉ねぎなどと一緒に炒める料理「Carne de Jaca」とは直訳すると「ジャックフルーツの肉」です。このままご飯と一緒に食べたりもするし、先ほどご紹介したブラジルコロッケの中に入れたり、タルトに入れたり、パンに挟んで食べたり・・・様々な食べ方ができます!
・・・その他にも、甘いものではアイスにしたり、プディングにしたり、ケーキのスポンジに入れたり・・・
ストロガノフにしたりカレー粉と一緒に料理してカレー味にしたり、スープを作るときに入れたり・・・
実はジャックフルーツは繊維もあり、タンパク質もあるのでこのように上手く料理すると、まるで肉みたいな味わいを体験することができます。その割には、普通のパンやご飯などよりもカロリーが低いので、肉料理としては美味しいのにヘルシーなんですよ♪
ヘルシーといえば・・・体にいいの?
ジャックフルーツは大きいだけでなく栄養も豊富に含まれていて、様々な健康に対するアプローチが期待できます!
- 抗酸化物質
- 様々なビタミンやミネラル
- タンパク質
- 食物繊維
こういった栄養素が豊富に含まれているので、それに由来した健康効果もあるんですね。そしてジャックフルーツには喘息を楽にしたり、潰瘍に効く成分が含まれていたりもします。
そしてすごいのが果実だけではなくて、木の根から幹の皮、樹脂、木の葉まで様々な効能が期待できるので、正に腹も満たして薬草のような働きまでしてくれる、スーパーフルーツなのです!
まとめ
さて、世界最大の果物をご紹介してまいりましたがいかがでしたでしょうか?
味に当たり外れはありますが、例え外れても健康効果は持ち合わせており、野菜のように料理して肉のように食べることもできる面白いフルーツでした。
こちらブラジルの田舎でもスーパーなどでは、実は売っていないのです。(匂いがするからでしょうか^^;)広い庭に木がある家庭や、ご近所からもらってきて食べる・・・という事が多いように感じます。
でも、ジャックフルーツを好きな人はかなり多いです。スーパーで売っていないのであまり意識していませんでしたが、目を向けて見ると色んなところにジャックフルーツを使った料理が出されていたりするんですよね。果実そのものの匂いは強くてキツイですが、食べるととても美味しいですよ!
なかなか日本では知られておらず、スーパーなどでも見る機会はほとんどないですが、もし、物産展や旅行の時などにジャックフルーツを見かけたらぜひ一度チャレンジしてみるのはいかがでしょう♪
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